株式売買手数料のゼロ化は規定路線だと思う
今日、テレビ東京のモーニングサテライトで「証券業界の先行き不透明」の一因として株式売買手数料の低下を挙げるお話がありましたが、ちょっと思う所があり筆(キーボード)を執りましたw
少し「手数料」というものを考えてみる
まず手数料という概念を考える際には「マージン」と「フィー」の2種類に分けて考える必要があります。
「マージン」とは仕入れ値と売値の差によって発生する言わば利ザヤに相当するものです。
一方、「フィー」は何かの行動や付加価値に対して与えられる対価を指します。
「手数料」という単語が出てくる場合、前述の2種類がごっちゃになって語られることが多いので、判断する側はややこしくなって「手数料」の内訳に関して考えるのを諦めてしまう事が多いのかもしれないですね。
簡単な例を示すと以下のような感じになります。
富松君がAさんからキャベツを50円で買って、そのままBさんに100円で売った。
差額の50円は富松君の儲けとなります。これはマージン。
次に富松君がBさんに「おいしいキャベツの食べ方」を教えてあげて情報料として50円を貰った。
同じく50円は富松君の儲けとなりますが、これはフィーに相当します。
富松君がBさんのキャベツを美味しい料理に調理してBさんに振る舞い、調理の対価として500円を貰った場合もフィーに相当します。
俺はキャベツ博士じゃないぜw
証券会社にとってのマージンとフィーとは何か
さて、我々(一般的な)個人投資家が株式を売買する場合、証券会社が市場との仲介役となります。
そして売買の都度、証券会社に手数料を徴収されるのは既知のことですよね。
この時の手数料とはまさにキャベツを転売した富松君のパターンで「マージン」に相当します。
理由は明白で、そこに「付加価値」なんて無いからです。
どこの会社で注文しても市場価格を元に注文した株数の売買が行われることには変わりありません。
「うちで注文してくれたら市場価格の半額で株が買えますよ」とか「1株おまけで付けときました」とかがあるなら是非利用してみたいところですw
では証券会社の「フィー」とはなんでしょうか?
- 各銘柄の分析レポートの購読料
- 資産運用の相談窓口(アドバイザー)利用料
- アクティブ投信の運用経費
パッと思いつく限りでは上記のようなサービスには付加価値があり、これらは「フィー」に相当すると思います。
(本当に利用者の利益に結びつくか微妙なのも混じってはいますがww)
つまり、「フィー」とは各社で差別化が図れる要素になるのです。
この要素こそが各社が力を入れて成長させるべきで、本当に利用者にとって有益な付加価値に対しては堂々とフィーを取るべき部分でもあるのです。
富松の違和感
株式の売買はだいぶ前からシステム化されており、株式売買自体は付加価値にはなりえないので、売買手数料がゼロに向かう流れは割と自然なことだと思います。
ネット証券などの存在もあるので株式売買手数料に頼ったビジネスモデルは淘汰されてしかるべきで、
「手数料が低下傾向だからしんどいです」という考え方は企業側の怠慢だとしか思えないのです。
米国では「Robinhood」という株式売買手数料無料の企業も登場しており、個人投資家の間で大人気となっております。
コロナ禍で配られた給付金を株式投資に突っ込むロビンフッダー達の影響で、米国市場は底堅い動きをしているよねww
日本でも「マージン」に頼らず、もっと「フィー」を稼げるサービスを次々生み出せるようなフェアで成長性に富む企業が増えてほしいものだなぁと思いました。
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