お金は少しずつ腐ります
だんだん涼しい日が増え、食べ物や生ゴミの腐敗のスピードも緩やかになってきた今日この頃、いかがお過ごしでしょうかw
しかし、そんな季節に関係なく、我々の財布や銀行口座の中にあるお金は着実に腐り続けています!
インフレとは
インフレーション(英語: inflation)とは、経済学においてモノやサービスの全体の価格レベル、すなわち物価が、ある期間において持続的に上昇する経済現象である。
Wikipediaより引用
物価が上がるということは、相対的にお金の価値が下がるということです。
腐ると言っても、ある日一万円札から変な臭いが出たり、キノコが生えたりするわけではなく、インフレによって「一万円という価値」が徐々に減っていくよって話をしようと思います。
日本とアメリカのインフレ率
日本とアメリカのインフレ率(年)を比較すると、以下な感じです。(インフレ率は変動するのでおおよその数字を記載します)
日本 | 0.7% |
アメリカ | 2% |
つまり、日本国内で日本円を100万円持っていたら、その時点では100万円分の価値の商品と交換できますが、翌年は99万3000円分の価値の商品としか交換できなくなります。翌年は更にお金の価値は下がります。
試しに100万円を現金でほったらかしていた場合の10年~30年先の通貨価値の遷移をシミュレーションしてみましょう。
~10年後の100万円の価値~
日本 (0.7%) | 93万2164円 |
アメリカ (2%) | 81万7072円 |
~20年後の100万円の価値~
日本 (0.7%) | 86万8930円 |
アメリカ (2%) | 66万7608円 |
~30年後の100万円の価値~
日本 (0.7%) | 80万9985円 |
アメリカ (2%) | 54万5484円 |
日本のインフレ率では30年後には通貨価値が八割ほどに下がっていることがわかります。
アメリカに至っては30年で通貨価値が半減していますね。
アメリカをはじめとする先進諸国では、資産形成するために現金預金ではなく投資が主流である理由が垣間見れると思います。
インフレは必要?
労働者である富松にとって、現金は労働報酬です。
その現金が、時間の経過と共に価値を失っていくというのは由々しき事態です。
しかし、インフレは「経済にとっての潤滑油」と言われるほど重要なものです。
インフレによってお金の価値が減っていかないのであれば、人や企業はお金を使わずに貯め込みはじめます。
それが将来に備える目的かどうかは知りませんが、少なくとも慌ててお金を使う必要がなくなりますよね?
お金が使われなくなると、経済は停滞します。
なぜなら経済の本質は消費だからです。
みんながガンガン買い物(もちろん投資も含まれます)をすることで、お金が経済の中を駆け巡り、経済は活性化されます(景気がよくなります)。
①みんながガンガン買い物をする
↓
②商品を製造、販売している企業の売り上げにつながる(儲かる)
↓
③株主や従業員に利益が還元(配当金や昇給、ボーナスとして)される
↓
④またみんなガンガン買い物をする(①に戻る)
だからインフレによってお金の価値を年々下げることで、お金の流れが停滞しないようにしているのです。
誰がインフレ率をコントロールしているのか?
通貨価値のコントロールは中央銀行(アメリカだとFRB、日本だと日銀にあたる)の役目になります。通貨発行の権限を持っていて、通貨価値の安定や、インフレ率をコントロールするために、金利や通貨の供給量を操作したりできます。
日銀はインフレ率を上げるため、毎年ガンガン日本円を発行しまくって、通貨価値を落としつつ、日経平均を上げるために日本企業の株(正確にはETF)を買いまくりました。
その結果、日銀は多くの日本企業の筆頭株主になってしまいましたw
この所業が将来的に日本経済に悪影響を及ぼしそうで少し不安です。
インフレ率の適性なライン
諸説ありますが、年約2%程度が経済を好循環させる上で適正とされており、日本もこの2%を目指していますが未だにデフレ体質から脱却できずにもがいている状態です。
補足ですがインフレ率がコントロール不能になるとハイパーインフレという状態に陥ることもあります。ジンバブエドルは無価値になってしまった通貨として有名です。(ジンバブエドルのインフレ率は実に2億3100万%というギャグみたいな数値となっており、ハイパーインフレ頂点では酒場のビール1杯が1000億ジンバブエドル、その1時間後には1500億ジンバブエドルになったといわれています。紙幣も100兆ジンバブエドルが発行されるなど、もはや通貨価値がない状態まで突き進みました)
まとめ ~インフレに対抗するには~
適度なインフレによって経済が活性化するのはいいとして、手持ちの現金資産の価値が時間経過と共に目減りしていくのは頂けません。
特にこれからまだまだ先の長い現役労働者(富松含む)にとっては。
対策としては「現金じゃない何か(資産)に交換しておくこと」に尽きます。
よく「インフレには金投資がいい」という話を聞きます。
金の価値はほぼ一定なので「資産をインフレから守る」という意味では間違ってはいませんが、富松はインフレというバイアスを乗り越えて成長し続ける「経済活動そのもの(=株式)」を買うことこそが、インフレに対する対抗策だと考えています。
上のグラフは名著「株式投資の未来 ~永続する会社が本当の利益をもたらす~」の中に出てくる有名なグラフです。
通貨価値がインフレによって下がっていき、金の価値は一定(何も生み出さないから当たり前だけど)、経済活動そのものである株式はインフレという物価上昇を取り込んで上昇し続けることがわかります。
とはいえ、いきなり個別株を全力買いするのはリスクがあるため、資産の一部で市場全体を買うような分散の効いたETFを購入し、長期保有することを検討してみてはいかがでしょうか。
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