金貨を見つめながら物の「価値」と「価格」を考える

先日、万博記念硬貨(一万円金貨)の購入権が当選したのはお伝えしましたが、決済後、手元に金貨が届きましたので軽くレビュー(笑)します。

最初、「箱が異様に重いな」と思って開けてみたところ、金貨は化粧箱に入った状態で鎮座されておりましたw

金貨はさらにプラスチックケースに入っており厳重感があります。

実際、手に取って間近でみるとやっぱり綺麗ですね☆

ただ、ミャクミャクが両面にデザインされているため、パッと見は玩具っぽいのがちょっと残念ですww

しかも売値は26万円なのに額面は1万円ってのがまた「ちゃっちぃ感」を際立たせますww

↑のような荘厳なデザインのほうがカッコいいんですけどねぇ・・・。

(富松保有の「天皇陛下御在位60年記念」の記念硬貨(10万円金貨&一万円銀貨)より)

価値と価格の違い

思えば20年ほど前、富松がまだ若かりし20代中盤の頃、「金」に興味を持ち、「金持ちの象徴たる金の延べ棒(地金)を持ってみたいなぁ」なんて考えていました。

当時の金価格は1グラムあたり2000円前後で推移しており、1Kgの地金を買うと仮定すると200万円程度で手に入るものでした。

その当時の富松にとって200万円という金額は「出せなくはないけど、見る&持つしかできない金属ごときに200万円出すなら、株主優待の付く株でも買った方が実用的ではないか」という幼い判断の元、購入を見送ってしまいましたが、現在の金価格がグラム17,000円超えていること(約8倍以上の値上がり)を考えれば判断を誤っていたとしか言いようがありませんねw

富松
富松

20年前に200万円で買えたものが今では1,700万円か・・・

さて、この事象(金の値上がり)を考えるとまるで「金の価値が20年前より上がっている」と考えてしまいがちですが、そういうわけではないことに注意が必要です。

考えてみてください。

金は置いていても勝手に増えたり、配当金を生み出すわけでもありません。

「宝飾品に加工したり、工業製品にも使えて、見た目が美しく、酸化したり錆たりしない金属」という価値は20年前も今も変わりません。

ではなぜ「価格」が上昇するのでしょうか?

価格上昇の理由はズバリ「インフレによる現金の価値毀損」と「需要の高まり」です。

インフレによる現金の価値毀損

普段、我々が物差しのように考えている「現金」の価値は時間の経過と共に変動(基本的に下落)します。

例えば、1960年代の大卒の初任給は大体2万円程度で、ラーメンをお店で食べると大体100円前後だったそうなので・・・

1960年代では初任給でラーメンが200杯食べれることになります。

2025年現在、大卒の初任給は20万円前後(一部大手では30万円出してたりしますが一部ですw)、ラーメンを外食しようとすると(お店にもよりますが)1,000円前後するのが一般的です。

つまり、2025でも初任給でラーメンが200杯食べれることに変わりはありません。

ここで言えるのは今も昔も「初任給の価値」は「ラーメン200杯分の価値」と大体等価であるということです。

初任給が2万円から20万円へと額面が10倍になったところで、手に入る物やサービスの価格も同様に上がっているので、昔より豊かになっているかと言われるとそうでもないです。(もちろん技術の進歩により便利になったものは多いですが、衣・食・住といった生活の基本的な面で比較すると昔とさほど豊かさは変わっていないと言えます。)

さて、話を元に戻します。

我々が物差しのように考えている「現金」の価値は時間の経過と共に変動(基本的に下落)します。

「1,000円」という金額の価値を「大体ラーメン1杯分くらいの価値だよね。」という感覚は2020年代(現在)でしか通用しません。

1960年代の人からすると「1,000円」は「大体ラーメン10杯分くらいの価値だよ」となりますし、もしかしたら2050年では「1,000円じゃラーメンは食べられないよ。せいぜい喫茶店でコーヒー一杯飲めるかどうかじゃない?」となる可能性は高いのです。

「1,000円」という「額面」は何年経とうと「1,000円」のままですが、「1,000円」と交換できる「物やサービス」は年々ショボくなると理解してもらえればいいかなと思います。

これがインフレというやつです。

そしてインフレ率は経済活動が正常に行われる場合、おおよそ2%~3%で推移します。

(=現金の価値は毎年2%~3%減っていきます。)

なるほどなるほど、富松が「金の延べ棒に憧れたあの頃」から金の価格は8倍以上になっているってことは、

富松の給料も8倍以上に・・・

なってるわけがない!!

ちくしょう・・・

なんだよ話が違うじゃんかと。

インフレ率が年3%と仮定すると20年間で現金の価値は大体半分になります。

さらに為替レートの観点から考えると円はドルに対してこの20年間で約32%下落しているのでその点も考慮に入れると・・・

20年前の金価格が2000円だとしたら現在の価格は5800円くらいが妥当なはずなんですが、1,7000円まで騰がっているのは解せませんよね。

これにはもう一つの理由があります。

金に対する需要の高まり

物の値段が上がる要因はインフレ以外にもあります。

それは「需要の高まり」です。

例えば、ロシアがウクライナに攻め込んだ後、経済制裁としてロシアの資産は凍結されたりしました。

そうなると(米ドル以外の)決済手段の確保を目的として、または自国通貨の暴落抑止(=価値の裏付け)を目的として「金の保有」という行為は効果的になるため、複数の新興国・先進国の中央銀行が金を買いまくっているというのが理由の一つとなります。

そして金の年間採掘量には限界があるため、需要に対して供給が追い付かない状態になると当然価格は上昇していきます。

とはいえ、理論価格から3倍以上の上昇となると「皆、狂ったように買いまくっている」という感じがして少し怖いですね。

怖さの源泉は「金価格が暴落するかも」ではなく「(戦争のような)何かが起こるかも」なのですが。

世界は平和であってほしいものですね。。

まとめ

ということで、どうせ今持っている現金の価値の下落は止められないし、台湾有事のキナ臭さが増すと気軽に渡航できなくなる可能性があるので、9月に宮古島へ旅行に行こうと思います。

目的は普段頑張っている妻のメンタルケアと、娘に名前の由来(イメージ)になった海を見せてあげることです☆

富松
富松

旅行当日に台風とか来ないことを祈ります☆

投資方針,雑記

Posted by tomimatsu