【書評】インデックス投資は勝者のゲーム

2021年4月19日

本書は投資信託会社バンガードグループの創設者であるジョン・C・ボーグル氏の著書になります。

バンガード社といえば格安の経費率でS&P500連動ETF「VOO」や米国高配当株式ETF「VYM」等の商品で有名ですね。

以前、本書の旧版となる「マネーと常識」という同氏の著書がありましたが、廃版となりプレミア価格で取引されておりました。
読みたかったのですが手が出なかったので、本書の発売は大変ありがたかったです。

内容の方は「米国株式投資をする全ての人に一度は読んでほしいくらいの良書」です。

タイトルから「インデックス投資」向けの話題が中心かと思わせつつ、実は株式投資に関する真理とも言うべき内容が書かれているため、個別株をベースとした「配当金再投資戦略」をとる人も必読だと思います。

「20代にこの本に出会えていたらなぁ」とよく思います。

「投資の成否を決めるのは、すべて常識である。」

本書の冒頭に書かれたこの言葉は正に投資の真理であると言えます。

本書の中には投資の中でついつい忘れがちな(軽視しがちな)当たり前で基本的なんだけれどすごく重要な「常識」が書かれており、たまに読み返して自分への戒めとしていたりします。

「コスト(経費率、税金)」、「分散」、「長期投資(長期保有)」といった観点を踏まえた上で、伝統的なインデックス投資を行う事こそ、(我々のような一般的な投資家が)最も高いリターンを得ることができるのに(自分も含めた)多くの投資家がなんと逸脱しやすいことかw

結局、正論すぎて否定する要素がない!!

インデックス投資は 個別株投資のような

運よく短期間で爆発的な利益を得ることも

不運に見舞われて資産の多くが一瞬で溶けるようなこともありません。

それは インデックス投資は良くも悪くも平均を取る手法だからです。

でもそれが最も有効な投資手法になりうるのは
米国株式市場は平均がそもそも右肩上がりという事実があるからなんですよね。

インデックスファンドを利用して投資をする場合、自分で個別の銘柄分析する必要もありませんし、自分でリバランスする必要もありません。
(全体に投資するので銘柄分析不要 & リバランスもファンド側でやってくれるので、「買う」以外にやることはない)

なので感情の起伏も大きくありませんw(=つまらないと思われがちw)

でも感情の起伏が大きくないというのはつまり「常に冷静でいられる」ということで、この点もインデックス投資の優位性の一つだと考えています。 (毎月積み立てで買うにしろ投資年数が長くなると積みあがる額が大きくなってくるので不安になりますからね)

結局、米国は株式市場が成熟しており実態経済の成長も順調なので、(投資期間に余裕のある方ならなおさら)突飛な投資戦略なんか必要ではなく、「大失敗しないように市場全体に長期投資できれば勝ち」という単純な話なんですよね。(日本株ではこうはいかないのが悲しいですがw)

著書の内容からインデックス投資を推す結論になりましたが、個別株投資を否定しているわけではありません。(富松もガンガン個別株投資しているのでw)

でも、常識や最適解を理解した上で、(自身のリスク許容度の範囲内で)個別株投資するのと、そうでないのは意味が全然違うと思ってます。

なので、これから米国株投資をしようとしている方は特に必読の一冊として強くおススメします。

書評

Posted by tomimatsu