円安ドル高に思う分散の重要性
円安ドル高の波は留まる事を知らず、黒田ライン(1ドル=125円)もサラッと突破し、現在本記事執筆時点では1ドル=126円44銭となっています。
こういった局面に入ってくるとドル建て資産(米国株)を保有していて本当によかったなと心から思いますね。
円安ドル高という状況は、「円の価値がドルに対して下がっている」という事です。
例えば、「1ドル=110円」から「1ドル=126円」に為替レートが推移すると、円はドルに対して約12.7%の価値毀損が発生することになります。
円の価値が下落しているので、今まで110円で買えていた米国商品が、126円出さないと買えなくなっているってことです。
現金預金で物価高を乗り切れるのか?
日本人の多くは資産を現金預金(円)で保有している方がまだまだ多く、昨今の円安ドル高に対してマイナスの影響(資産の価値毀損)をモロに食らってしまっています。
また、「日本は輸出国だから円安の方が日本経済にとっては有利でしょ?」と考える人がいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら現在では「日本は輸出額より輸入額の方が多い国」という状況で、「輸出国日本」というのは過去の姿となっています。
日本は食品やエネルギー等、国民の生活に近しい分野では意外と海外からの輸入に頼っている面が大きく、円安ドル高の悪影響は、今後より実感していくことが予想されます。
しかし、この円安ドル高の状況は「ドル建資産」を持っている人にとっては大きな恩恵をもたらします。
例として富松の「特定口座」の状況を以下に添付します。
上の画像を見ていただくと分かる通り、1つ銘柄につき2段表示となっており、上段の記載がドル評価、下段の記載が円評価という構成になっています。
昨今の円安ドル高の影響を受け、円評価における損益率が跳ね上がっていることが分かります。
エクソンモービルは円評価で損益率100%超え(2倍以上)になってるww
重要なポイントは「円安ドル高による資産価値の毀損を回避できている」ということだけではありません。
富松の保有する米国株達は配当金という形で(円に対して価値の上がっている)ドルを生み出し続けるということが最も重要なのです。
富松は日本企業の会社員であるため、毎月の給料は円で貰います。
つまり「自分という資産(人的資本)は円を稼ぐ」ということです。
一方、富松の保有する「株式資産(米国株)はドルを稼ぐ」という状態なので、円安ドル高が継続したとしても「円預金100%」の人よりはその影響をマイルドにすることが可能です。(影響ゼロにするためにはもっとドル建て資産を積み上げる必要がありますが。)
「自分が円を稼ぐ」と「米国株がドルを稼ぐ」という2つの車輪が回り続けるのであれば、円という通貨が大幅且つ、急激な為替変動に晒されたとしても、生活がすぐさま困窮するという状況は回避できると思っています。
伝説の番組「松本紳助」に見るヘッジの重要性
かつて(2000年~2006年)、TVの深夜番組でダウンタウンの松本人志さんと、島田紳助さんがトーク番組をやっていて、メチャメチャ富松の印象に残っているやり取りがあったので紹介します。
トークの経緯としては「投資を嫌がる松本さん」に対して、島田紳助さんが投資(分散)の重要性に関して分かりやすく説得するという流れの中での一幕です。
紳助:例えば君は日本人で日本に住んでるわな。
紳助:アメリカがあるわな。
紳助:(松本は投資に関して)「そんな怖い事嫌や」「博打したない」って言うやんか、「僕はいいです」って言うやろ?
紳助:違うねんで。一番博打しているのは君やねん。
紳助:日本の国、全部貯金「円」や。現金や。
紳助:円で全部現金持っているということは、君は博打でいう「日本に一点張り」やねん。
紳助:分かるかな?
(会場笑い)
紳助:日本という国に一点張りしてんねん。
紳助:この国コケたら君終わりや。
紳助:俺が今喋っているのは金儲けの話違うで。
紳助:例えば分かりやすく言うと半分「ドル」で持つやん。
紳助:日本がコケて「円」がダメになって円安になったら君「ドル」で儲かるわけや。
紳助:アメリカがダメになってヘコんだら、また「円」で儲かるねん。
紳助:シーソーの真ん中にいたら損も得もない。
紳助:これを例えば「円」と「ドル」だけではなく「株」「土地」「不動産」と棒をいっぱい出すと、どっちに歪んでもシーソーの真ん中にいるわけや。
松本:(笑い)
紳助:これがヘッジの行き届いた人生や!!
(会場笑い)
松本:胡散臭っ(笑)
(今は分かりませんが)この頃の松本さんは「投資はギャンブル」、「ギャンブルは必ず胴元が儲かる」、「だから自分は投資とかは一切しない」という「THE 日本人」的な考え方をしており、そんな松本さんを執拗に投資の世界に導こうとする島田紳助さんが悪徳商人のような雰囲気を醸し出すことで会場の笑いを誘っていましたが、言っている事はメチャクチャ正しいです。
昨今の円安ドル高の波の中で「分散の重要性」と「島田紳助さんの金融リテラシーの高さ」を再確認してしまいましたね。
「分散が重要」という基本中の基本の話ですが、島田紳助さんの説明の仕方が秀逸です☆
まとめ
投資においては分散が重要という話を記載しましたが、「分散」という戦略は投資の世界だけではなく、縮退していく日本を生きる我々日本人の「生存戦略」としても今後重要になってくると考えています。
日本の経済が縮退していくのであれば、円建ての資産だけではなく、これからも成長していく国の資産も併せて持っておくことで、そこからの収益(おこぼれ)を頂戴しながら生きていくことが可能になるからです。
昔から「貯金は減らないから安全」という考えから「現金貯蓄励行」の慣習を両親から植え付けられた人は多いと思いますが、その「最も安全」と思われていた「現金貯蓄一択」という慣習こそが、最も危険な戦略になりうることを多くの日本人が実感する未来がもうすぐそこまで来ているのかもしれません。
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