【売買記録 2022年4月】Sell in May?
米国市場が崩れ始めてきましたね。
「利上げ」と「Sell in May(5月に株を売れ!)」のアノマリーが重なったせいか、普段の下落幅より気持ち大きめに感じています。
「利上げ」に関しては年内は断続的に実施されるため、今後も市場全体の下落に関して警戒は必要かと思います。
本格的な下落はこれからだと思っています。
4月分のお買い上げ
バンガード S&P 500 ETF(VOO)× 1口(約定単価:383.55ドル)
バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)× 8口(約定単価:108.65ドル)
今月は円安の影響と、夏に向けての下落の可能性を意識して控えめな投資となりました。
レバレッジ系商品に投資することへの警鐘
市場全体が大幅な下落に転じる時に最もダメージを受けるのはレバレッジ系のETFや金融商品です。
昨今では上昇幅の大きかったNasdaqにレバレッジをかけた金融商品(通称:レバナス)が人気のようですが、いかんせんレバレッジ系金融商品の中身の構造や、その構造によって生み出される特性を理解せずに「チャートの上昇期」のみに注目して投資している方が多い印象を受けましたので、少し気にかかっています。
以前、以下の過去記事でレバレッジ系金融商品の仕組みに関して紹介させていただきました。
本来、株というのは「安い時に買って、高い時に売る」というのがキャピタルゲイン(値上がり益)を得る手段の基本中の基本です。
しかし、レバレッジ系金融商品は内部で「安くなったら売って(損切って)、高くなったら買い増し」という真逆のオペレーションを行っているので、上昇相場が継続する場合は利益の拡大を狙えますが、下落相場では「レバレッジ倍数に応じた暴落」だけではなく、下落に併せてポジションを縮小(損切り)してしまっているので、元の基準価額に戻るまで(レバレッジなしの商品と比べて)時間がかかってしまうというデメリットを抱えています。
暴落局面では買い増しを行い、平均購入価格を下げることで、少しの戻りでマイナスを取り返すという考え方の方が一般的なんですけどね。
レバナス商品自体、設定日からの歴史が浅く、過去に大きな暴落経験が無い商品であるため、商品販売元の証券会社もガチの暴落が来た際のチャートは表示できません。
つまり、商品購入者は暴落というリスクを適切に評価できないままレバレッジ系金融商品を(しかも積立で)購入してしまっているのが一番危険だと考えています。
では、実際どれぐらい危険なのかを過去に発生したITバブル崩壊をベースに考えてみましょう。
ITバブル崩壊は大体、2000年8月31日から2001年九月末までに発生した暴落を指しています。
当時、レバナス商品は存在していなかったので、ITバブル崩壊時のNasdaq100の値動きを元にレバナス(レバレッジ2倍)の動きをシミュレーションしてみました。
こんな結果ですw
元々、4233ドルあった資産は219ドルまで下落しています。
マイナス95%とか発狂レベルの暴落です。
よく考えてください。
「積立投資」というのは「老後の生活費」や「早期リタイヤ」等、何かしらの目的でコツコツと積み上げてゆくものです。
「明日でリタイアだ!レバナスで1億円の資産形成に成功したし、これからは悠々自適な生活を送ろう!」と考えた翌日から暴落局面に入り、評価額1億円の資産が最終的に「たった500万円」に激減してしまう事態を想像してみてください。
長く温めていた人生計画は崩れ去ります。
ITバブルの崩壊は実際に起こった話です。
こういった暴落局面が訪れた場合。「買い増しすればいいんでしょ?」と考える方も多いと思いますが、このレベルの暴落が発生した場合、(次の上昇局面がいつ来るのか分からないため)ファンドからの資金流出の方が多くなる(皆逃げる)のが普通です。
その場合、ファンドの運用を存続させることが難しくなり、強制償還する(=その時点の評価額で払い出ししてファンドを閉じる)可能性が高いため、1億円あったはずの資産は、払戻金500万円に化けて終了となります。
ゲームオーバーっすね。
ちょっと長くなりましたが、まとめます。
何に投資しようが個人の自由です。
そして、レバレッジ系金融商品は、「上昇局面で大きなリターンをもたらす」のは事実ですので、商品の否定をするつもりはありません。
しかし、投資しようとする商品の本質を理解せずに投資活動を行うことは、往々にして「高い授業料」を払うことに繋がるため、「自身の投資計画」と、「投資している商品の性質」が合致していることを確認することは、ゲームオーバーにならないための最低条件だと考えます。
レバレッジ系商品はあくまで短期取引向けの商品設計ということを知っておいた方がいいと思いますよ。
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