お手本とすべき伝説の一般人(パンピー)
2014年。
アメリカ(バーモント州)でロナルド・リードさんという1人のおじいさんが亡くなりました。
この方はガソリンスタンドの従業員やデパートの清掃員として働いており、ドケチ・・じゃなくて、極度の倹約家として有名でした。
ロナルド・リードさんの死後、遺産を確認すると800万ドル(約10億円)相当の資産(有価証券等)があることが判明し、アメリカのメディアを騒がせました。
彼の生活スタイルから、誰1人として彼をお金持ちとは思っていなかったようです。
- 車はコインパーキングに停めない(町外れに路駐)
- 着衣はボロを纏い、冬でも穴の開いた野球帽を被るため、たびたびホームレスと勘違いされていた
謙虚で控え目な性格だがユーモアのセンスがあったようで、周りからは愛され、ニット帽を編んでもらったり、朝食代を出す人まで現れていたようです。
何も持たない男の蓄財術
さて、ロナルド・リードさんは如何にして800万ドルもの資産を築き上げたのかというと、ズバリ!株式投資です。
この方は37歳から投資を開始しています。
投資を始めるには早い年齢とは言えませんし、職業も高給取りというわけではありません。
資産形成を行う上で何のアドバンテージも持たない彼の投資戦略は以下だったようです。
- 超長期投資(買ったら売らない50年超のバイ&ホールド)
- 配当金再投資で複利の効果を享受
- 超倹約(ホームレスに間違われるほどw)
- 超分散(95銘柄)
これが長年継続できているということは倹約も含めて完全に趣味化して楽しんでますね。
(ウォールストリートジャーナルも毎日購読していたらしいです。)
どんなポートフォリオだったのか?
彼のポートフォリオはディフェンシブ銘柄やバフェット銘柄で構成されており、中でも保有割合の高い10銘柄は以下になります。
- ウェルズファーゴ(WFC)
- プロクター&ギャンブル(PG)
- コルゲート・パルモリーブ(CL)
- アメリカン・エクスプレス(AXP)
- JMスマッカー(SJM)
- ジョンソン&ジョンソン( JNJ)
- VF(VFC)
- マコーミック(MKC)
- レイセオン(RTN)
- ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)
生活に密着した優良銘柄が多いですね。
レイセオンが入っているのはロナルド・リードさんが若かりし頃の従軍経験(陸軍所属)に起因していると勝手に推測してますw
この「資産を築き上げるのに必要なのは常識と時間と忍耐」とも言うべき結果は、(富松を含む)多くの投資家を勇気づける結果でもあります。
遺産の行方
ロナルド・リードさんの遺産は遺言の分割指示に従い、ブラトルボロ・メモリアル病院に480万ドル(約5億7200万円)、ブルックス図書館に120万ドル(約1億4300万円)、残りは義理の子供たちと友人らに分けられたそうです。
この方が残したのは多額の遺産だけではありません。
多くの投資家に対して希望の光を遺しました。
富松もしっかりとその光の影響を受けていますw
しかしまぁ1人の個人投資家としては中々見事な生き様だと思いますね。
アメリカではロナルド・リードさんほどのガチ投資じゃなくとも1億円以上の資産を長期投資で築き上げるというのは別に珍しい話ではありません。
「乗る電車さえ間違わなければ、たとえ各駅停車だったとしても乗り続けることで、いつか目的地には辿り着ける」
ということですね。
補足
ロナルド・リードさんの話から「そんなにお金があるなら使えばいいのに」という意見を持たれる方も多いと思いますので、少し補足します。
まず、ロナルド・リードさんの仕事、生活スタイルやポートフォリオから配当金再投資で複利の効果を利用して資産の拡大を図っていたことは明白です。
そして複利の効果は時間の経過と共に段々大きくなる特性を持つことと、投資開始年齢を考慮すると、ロナルド・リードさんの資産が爆発的に増えたのは割と晩年になってからだと考えられます。
また、一般的に配当金再投資戦略を採用する場合、お金を生み出す資産(ストック)を取り崩す事はしません。
万が一、使うとしても資産から生み出されたお金(フロー)になりますね。
そもそもロナルド・リードさんの生活スタイルは「足るを知る男」タイプなので、大金を使わずともお金の心配をすることのない楽しい日々を過ごしていたに違いありません。
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