ドル高の加速とウォーレン・バフェットの読みの凄さ
ドル高の加速が止まりませんね。
本記事執筆時点で1ドル=124円を突破しました。
この異常スピードのドル高の中、富松は昨年のある出来事を思い出すのでした。
ウォーレン・バフェットと円建社債
確か、昨年の4月にウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイは5年、10年、20年物の円建社債を発行しています。
その時の社債発行総額は約1600億円です。
簡単に言うと、バークシャー・ハサウェイが「1600億円の借金をしました」ということです。
ちなみにバークシャー・ハサウェイは円建社債を2019年、2020年にも発行しているので3年連続ですね。
今年(2022年)も円建社債を発行するかどうかは検討中みたいです。
バークシャー・ハサウェイは現金を約17兆円保有しているので、決してお金に困って社債を発行しているわけではありませんw
社債の発行用途は公表されていませんが、なぜバフェットはわざわざ円建てで社債を発行したのでしょうか?
ちょっと富松の個人的な見解を書いてみようと思います。
理由1:長期的に見て円安ドル高が継続する
富松が米国株資産を増やしたい理由の1つでもあるのですが、おそらくバフェットも長期的に円安ドル高が進行することで円の価値が長期的に毀損すると読んでいるのではないでしょうか?
・・・と富松は個人的に考えています。
そもそも日本は以下の惨状です。
- 少子高齢化に伴う人口減(労働力減)で経済規模は縮小することが確定している。
- 日銀は財政ファイナンスを継続していて、「円通貨価値の維持」という観点ではチョット危なっかしいw
- 日本の産業は国際競争力が弱体化しつつあり、外需で稼げない国になりつつある。
この状況で円安ドル高にならない予想をするほうが難しいと思いますね。
つまり、1ドル=110円代をウロウロしている間に円建社債で円を調達し、円建社債が満期を迎えるまでに円安ドル高が進行していれば、「返済用の円」を安く調達できるので、為替差益だけで大儲けできるのです。
まぁ投資の神様であるバフェット爺さんが調達した円を現金のまま握っているわけはないと思いますがww
理由2:割高な米国株より、割安な日本株?
米国株はコロナだのなんだのと言いながらも昨年は絶好調のパフォーマンスを見せてくれました。
市場に現金がダブついていたので、見方によっては軽くバブルなんじゃないかと思わせる程でしたよね。
バフェットもそんな米国市場を割高とみていて、2020年には日本の総合商社に投資をした話は記憶に新しいと思います。
恐らく、バフェットは円建社債で調達した円を使って更なる投資先を日本企業の中から探す可能性が高いと(富松は)みています。
そもそも、日本市場は日銀が大株主になってしまうほど、誰も買ってくれない(放置されている)市場なわけですから、米国株と比べると割安に評価されている企業がまだまだ多いと言えます。
そんな中でも「長期的に円の価値が毀損しても外需で稼ぎ続けられる企業」を見出すことができれば、大きな利益を上げることに繋がります。(総合商社なんかはその筆頭だと思います。)
しかも円安ドル高が進行すれば、バフェットはそんな割安優良な企業を更にディスカウントした価格で購入することになるのです。
円安ドル高の進行状況によってはタダ同然で企業を手に入れられる可能性もあるので、バフェットにしたらかなり勝算のある投資になるわけですw
本当に91歳の爺さんか?!と思う程の鋭い読みと動き
こうして、ウォーレン・バフェットの動きを考えていると改めてその凄さが分かってきますw
ハンバーガーとコカ・コーラが大好きで、株主総会で5~6時間ぶっ通しでトークする91歳は、まだまだ先を読んでいるみたいで恐ろしい限りです。
相場の格言に「人の行く裏に道あり花の山」というのがあります。
「他人が行かないような道にこそ大きな利益を得られる機会がある」という意味です。
富松は日本株に興味がない(というかリスクが高すぎると考えている)ので避けちゃいますが、避ける人が多い日本株という道を「安く調達することになるであろう円」で買い漁るバフェット爺さんを想像すると「永遠に超えられない壁」というものを感じざるを得ませんww
決して日本株を勧める記事ではありませんw
日本株で利益を出せる人は「先を読める人」か「流動性の低さを利用できる人」のどちらかです。
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