日本のハイパーインフレと対策(後編)

さて、前回に引き続き後編になります。

生き残るためには準備が大事

今回は日本でハイパーインフレが発生するとどんな状況に陥りそうかを仮定し、そこからどんな対策が考えられるか整理してみようと思います。

発生事象の第一段階:国債価格が暴落

日銀の行っている(実質)財政ファイナンスの件を考えるとハイパーインフレのトリガーはここだと思ってます。

簡単に言うと「国債の買い手がつかなくなる」状態です。

国債価格が暴落すると、国債を保有している銀行、証券会社、年金(GPIF)、保険会社が大ダメージを食らいます。

これによって銀行、証券会社、保険会社が販売している金融商品が強制償還されたり、企業自体が倒産してしまう可能性が出てきます。

発生事象の第二段階:金利が急上昇

国債価格と金利は逆相関の関係があるので国債の暴落は金利の暴騰を意味します。

変動金利で住宅ローンを組んでいる人が支払い困難になり、手放される住宅が増えると思います。

発生事象の第三段階:日本円の価値が暴落

国債の暴落(買い手が付かない)は日銀の信用がなくなっている状態なので、当然日銀の発行する日本円の信用も無くなります。

外貨に対して超弱くなる(超円安)になるということです。

これは他国に例があるので想像しやすいと思いますが、海外からの輸入(資源調達)が困難になり、現金(日本円)の価値が暴落するので日本国内における商品やサービスの価格が暴騰します。

発生事象の第四段階:倒産企業や失業者が続出

日本円での決済が困難になるので、資金繰りがうまくできなくなって倒産する企業が増え、それに伴い失業者も増える事が予想できます。

倒産企業が増える事で、事業撤退が加速するので、空きテナントが増加し、失業者が増えることから家賃の支払いが滞ったり退去したりと、日本国内の不動産投資も逆風になると思います。

倒産企業が増えることで日経平均も大きく下げるでしょうね。

よく「株はインフレに強い」と言いますが、それは通常のインフレ時であって、ハイパーインフレが発生すると(海外でも稼いでいる企業を除く)内需依存の高い企業は倒産リスクが高くなるので、保有する銘柄によって明暗が分かれると思います。

といった感じで、ざっくりと発生事象を四段階に分けて書きましたが、書いてて気が滅入ってきましたねw

ここまでネガティブな話を羅列しましたが、裏を返せばこのタイミングは大儲けするタイミングでもあるため、準備ができている人にとってはチャンス到来という事になります。

海外の投機家はこのチャンスを常に狙っています。

富松
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対策1:外貨建ての資産を保有する

さて、本題ですがハイパーインフレ対策として最も効果的なのは「外貨建て資産」を保有することです。

具体的には米国株や外貨などが考えられます。

また、価値保存効果の高い金を保有する事も効果的だと思います。

インフレ対策として金は有名ですからね☆

外貨(特に世界の基軸通貨たる米ドル)や金は急激な円安に対するヘッジ効果があるで、資産の一部を円建て資産以外にも割り振っておくことは重要だと思います。

特に米国株の場合は円安に対するヘッジ効果だけでなく、米国株自体が(配当金といった形等で)米ドルを生み出し続ける資産なので、失業した場合の生活費などを一部賄ったりと役立つ存在になります。

保険商品でリスクヘッジしようとしても、円建ての保険商品の場合、支払いが日本円なのでハイパーインフレ下で日本円を貰ったところで・・・って事になりますからね。

富松
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「もし証券会社が倒産してしまったら米国株を持ってても無くなってしまうんじゃないか?」と心配する人がいるかもしれませんが、投資家が保有する株式というのは証券会社で保管されているわけではなく、証券保管振替機構(通称:ほふり)にて証券会社の資産と分けて分別管理されているので、証券会社が倒産しても投資家の資産は守られます。

一方、銀行口座の預金というのは分別管理されていない(国債買ったり、他人に貸し出しする)ので、銀行が破綻した場合はペイオフによって上限1,000万円までは守られるものの、それを超える部分は無くなってしまいます。

ハイパーインフレ時に1,000万円守られても微妙な気はするが無いよりマシか・・・。

富松
富松

こういった資産保護の観点でも米国株の優位性が際立つので、資産の一つに米国株を加える事を強くおススメできる理由の一つになります。

対策2:固定金利でローンを組む

前編でハイパーインフレが発生すると借金が帳消しになると言いましたが、これには住宅ローンも含まれます。

しかし、注意点があります。

ハイパーインフレの恩恵(?)を受けられる人は「固定金利」で住宅ローンを組んでいる人だけです。

変動金利の場合、ハイパーインフレ下ではローンの金利も暴騰することと、失業リスクも高まるので環境要因で返済が困難になる危険性があります。

「固定金利」より「変動金利」の方が金利が低いので「変動金利」で住宅ローンを組んでいる人が結構多いんじゃないかな?

富松
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ある意味で「保険」と割り切って固定金利でローンを組むか、前述の外貨建て資産を取り崩して対処するかのいずれかが対策として考えられます。

もし、「固定金利」+「外貨建て資産保有」のコンボが組める人だと、ハイパーインフレの発生は、一気に住宅ローンを返済できるチャンスにもなりますね☆

富松
富松

まとめ

ハイパーインフレがいつ発生するかなんて分かりませんw

分かってたら与信枠MAXまでローン組むよw

富松
富松

しかし、発生の可能性を少しでも考慮して動けるのであれば、その分だけゲームオーバーになる未来から自分や家族を遠ざけることができます。

投資の基本の1つは「分散」です。

資産のすべてを現金預金(日本円)で持っている場合、「日本円の1点張り」となり、全然分散できていないため、万が一の事態が発生した場合に「詰む」可能性が高いです。

一方で、お金持ちの人たちは国内 or 海外に関わらず、「株式」「債権」「不動産」「金」「美術品」「現金(外貨)」といった感じで資産(アセットクラス)を分散させているので、1つの資産が暴落しても資産全体で見ると致命的なダメージには至らないのです。

また、「高騰している資産を一部売却して、暴落している資産を買い漁る」という選択肢も採れるので、この行動が更に資産を増大させる結果に繋がったりするのです。

何かが大きく動くとき、「準備ができている人」にはチャンス、「準備ができていない人」はピンチになるという簡単な話ですね。

富松
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雑記

Posted by tomimatsu