老後の資金計画について考える
老後の生活費が年金だけだと2000万足らない問題に関して以前にも触れました。
さてさて、多くの人は老後の生活費は年金で全額賄える前提でいるため、「2000万円足らないよ」って話が出た途端、ブチ切れる人が続出したのはまだ記憶に新しいですね。
そこで政府は「人生100年。定年を延ばして75歳まで働きましょう☆」というジョークみたいな法案を浮上させてクリンチしようと試みているわけですが、そもそもこの「人生100年モデル」に関しては大きな問題があります。
問題点①:健康寿命
日本人の健康寿命(医療や介護機関に依存せずに日常生活が送れる期間)が平均72~73歳であることです。
職業にもよりますが、富松自身は「60歳過ぎて現役バリに働けるわけない(加齢に伴う能力の劣化は避けられない)」と考えているので60~65歳くらいが現役労働者として活躍できる限界だと思ってます。
正直な話、60歳まで真面目に働いたんならもう残りの人生は好きに遊ばせてくれよって思ってるくらいです。
老後になっても病院に通いながら生活費を稼ぐために労働する社会って想像すると恐ろしいですよ。
老人に鞭打って働かせる社会が正しい社会のあり方でしょうか?
現役労働者人口を増やす政策を進める方が先ですよ。
問題点②:現役労働期間と生存期間の乖離
年金の減額がこのまま進んでいった場合、富松と同世代(アラフォー)以降はお小遣い程度の年金しか貰えない可能性が高いです。
大卒者(22歳)が定年(60歳)になるまでを現役労働者期間とすると大体38年間が労働所得を得られる期間となります。
しかし、生活費が必要な期間というのは「死ぬまで」なので、現役労働期間の38年間で、100歳までの期間(78年間)分の生活費を稼がなければなりません。
普通に考えて「頑張って貯蓄します」レベルじゃ老後破綻が避けられない事は容易に想像できますねw
詰んでる状況からゲームがスタートするので、普通にプレイすると確実に「GAME OVER」になる超高難度のゲームってことですw
旗色の悪い戦局を乗り切るためには作戦を練る必要がある。
よく「若い頃から老後の事を考えてどうするの?」という意見があります。
しかし、「考えたくもない厄介な問題」というものは無策のまま放置すると、時間の経過と共に状況は悪化し、採れる選択肢も少なくなっていくのも事実で、歳をとってから考えても「もはや手遅れ」って事にならないためにも先送りしてはならない問題は若い頃から考えるべきです。
老後の資金問題は多分、みんな薄々気が付いているけど「(特に対策を打たずに)気が付かなかったことにしている」人が多い気がするのは気のせいでしょうかw
こういった「大問題に発展する可能性が高いにもかかわらず、軽視されているリスク」のことを金融業界ではグレーリノ(灰色のサイ)と言います。
サイは普段は大人しいけど、暴れ始めたら手が付けられないからね。
資産運用開始年齢にみる選択肢の幅
じゃあ結局どうするのかっていうとやっぱり投資しかないわけです。
投資にかけられる時間が長ければ長いほど、複利効果によるリスクの低減とリターンの拡大が狙えるって話はもはや常識です。
結局は「若い頃から気付いて資産運用を始めた人のほうが有利」という事で、資産の拡大と共に人生の中で(お金に関わる)選択肢の幅が広がる事に繋がります。
例えば・・・
40歳の富松さんと22歳の新入社員A君がいたとします。
2人はたった今、同じタイミングで資産運用の重要性に気付き、同条件の積み立て投資を開始したとします。
運用の条件は以下の通りと仮定しましょう。
- 毎月3万円を年4%複利で運用する(計算がめんどくさいので非課税投資とするw)
- 投資終了は60歳になったタイミングとする(つまり、富松さんは20年、A君は38年の投資期間となる)
上記運用の結果は以下の通りです。
A君(60歳時点資産):約3,150万円
富松(60歳時点資産):約1,090万円
なんと3倍近い差となりましたww
仮に富松さんが60歳時点で3,150万円必要でなのであれば毎月8万6千円積み立てる必要があります。
(必要な積み立て額が倍以上に跳ね上がります。)
A君のケースは「毎月3万円」という「さほど無理のない積み立て額でも期間さえあれば、ある程度の資産を構築可能である」って所が最重要ポイントになります。
A君が(富松さんに負けじとw)頑張って毎月8万6千円積み立てようものなら、60歳時点で積み立て資産は9,000万円を突破するので、投資期間中に住宅購入等のイベントが発生しても頭金の調整や一括購入を視野に入れたり等、経済的に採れる選択肢は当然増えます。
まぁ若い頃から頑張ったご褒美はデカいというところでしょうか。
繰り返しになりますが「若い時に気付いて行動する」というのが重要なんです。
定年後に退職金握って資産運用デビューするかどうかを考えている場合、中々高いリスクを踏む羽目になるのでご注意を。
「若い頃から老後を考える」という言葉がそもそもクソダサい響きですが、適切に言い換えると「若い頃から金融の観点で人生設計する」ですね。
アメリカの高校生はこういった基本的な事を学校で学ぶので羨ましい限りですね。
富松も高校生の時に金融を勉強したかったね。(古典とか使わねーしw)
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