【書評】株式投資の未来 ~永続する会社が本当の利益をもたらす~
今回、ご紹介するのは
富松が株式投資というものをちゃんと理解し直すための礎になった一冊になります。
本書は「ウォートンの魔術師」ことジェレミー・シーゲル教授の著書になります。
異名の由来はペンシルベニア大学大学院(ウォートン・スクール)教授(金融論)だからですかねw
本書は配当金再投資戦略を取る人なら必読の一冊になります。
通称「赤本」とも呼ばれ、米国株投資をする人の間ではメジャーな名著です。
意外と読みやすい
さすが「ものを教える立場の人」だけあって、過去のデータを元に配当金の重要性や、成長の罠など株式投資で見るべき(考えるべき)ポイントを分かりやすく説明しています。
具体的な銘柄を出して説明してくれているのも分かりやすさの要因ですね。
本書で検証されている期間内(1957年~2003年)であれば「低PER(不人気)だが利益をあげている銘柄を配当金再投資戦略を適用することでS&P500を上回る成績が出せる」という驚くべき結果が記載されています(=通称シーゲル流と呼ばれる投資戦略)
簡単に言うと・・・
「高PER(今をときめく人気者)銘柄は軽くバブってる(割高だ)から実は思ったより儲からない。」
「低PER(不人気、地味)だけど長期的に利益と配当金を出し続けている企業の株を持ち続けた方が儲かる(配当金再投資戦略ありき)」って事です。
富松はこの考え方は非常にシンプルで同意しますが、投資環境というものは時代とともに少しずつ変遷していくので(今は株高だし)、今後もシーゲル流投資戦略がS&P500を上回る成績を出せるかどうかは少しだけ懐疑的に考えています。
コンセプトは頂きますが、全く同じ投資を模倣することはないです。(時代に合わせてチューニングする必要はあると考えています)
しかし、米国株はこういった教科書的な理論が通用するところがすごい(フェアだ)と感じるところです。
間違っても日本株でシーゲル流投資戦略をやらないようにww
実はここまでの話はおまけだと思っている
本書で語られている「シーゲル流投資戦略が市場平均(S&P500)を上回るかどうか」は正直どうでもよくて(※)、重要なのは株式投資をする上で必須な考え方が本書に散りばめられているという点になります。
※そもそもシーゲル流投資戦略はS&P500インデックス投資に匹敵するほど優秀な戦略なので、勝敗を分かつのはもはや地合次第です。(S&P500インデックス投資は銘柄を選ばなくて済むので難易度は易しいというメリットがありますがw)
全17章(+付録)で構成されていて付録のデータだけでも「付録じゃないレベル」ですw
本屋でこの書籍を見かけたらまず目次をパラパラして見ることをおススメします。
5分後にはレジに並んでいることでしょうw
有名な例のグラフもあるw
米国株投資している人であれば結構有名な以下のグラフもあります。
富松も初見でビビったグラフですw
グラフは「1ドルを株、長期国債、短期国債、金、ドルでそれぞれ200年間持ち続けたらどうなるか?」をあらわしたものです。
金は価値が一定なので200年後も大して価値が変わらないのはいいとして・・・
なんと現金は価値が 7/100に減価していますw
そして逆に株は約60万倍に増えています!!
このグラフを見るとインフレの恐ろしさと現金の脆弱さと、(経済そのものである)株の優秀さが一発で分かります。
こういった衝撃のデータも散りばめられているので読んでいて最後まで気が抜けないんですよw
この本は・・・
本書は何度も何度も読み返す価値のある(読み返したくなる)スルメのような本です。
きっと本を読み終えた時・・
米国株式投資に未来を見ることでしょう。(証券会社のサイトで何かをポチっていることでしょうw)
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