バンガードの金融商品が経費率最安でいられる理由
長期投資において「コスト(経費率)を安く抑えられる」というアドバンテージは、将来のリターンの押し上げを約束します。
インデックス投資においても例外ではなく、(運用上のトラッキングエラーを除けば)経費率の安い金融商品ほど、長期で見ると高い運用成績を出す事ができます。
さて、S&P500というインデックスに投資したいと思った場合、ETFだけでも以下の種類が存在します。
【国内ETF】
銘柄コード | 名称 | 経費率(%) |
---|---|---|
1547 | 上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 0.1500 |
1655 | iシェアーズ S&P500 米国株ETF | 0.0750 |
1557 | SPDRS&P500 ETF | 0.0945 |
【海外ETF】
ティッカーシンボル | 名称 | 経費率(%) |
---|---|---|
IVV | iシェアーズ・コア S&P500 | 0.0300 |
SPY | SPDR S&P500 ETF | 0.0900 |
VOO | バンガード・S&P500 | 0.0300 |
ETFでこれだけの種類があるし、投資信託も含めるとなると数が多すぎて覚えきれませんw
さて、富松はこれまでバンガード社の運用するETF(VOO)を通じてS&P500へのインデックス投資を行ってきています。
なぜ、バンガード社のETFを選んでいるのかというと単純に「経費率が低いから」です。
もう一歩踏み込むと、更に経費率が低くなる可能性が非常に高いからです。
今回はそんなバンガード社の低経費率の秘密に迫ってみようと思います。
キモはバンガードの所有構造にある
まず、説明するにあたって登場人物を並べてみます。
登場人物(企業) | 説明 |
---|---|
金融商品購入者(富松) | アーリーリタイヤを目論む中年サラリーマン的な人々w |
ファンド | 基金(多くの投資家からの資金のあつまるところ)。 今回の例だと「金融商品そのもの」と読み替えてもらっても差し支えないッス。 |
運用会社 | ファンドを運用する会社 |
運用会社の株主 | ファンドを運用する会社の株主(そのまんまw) |
では次に、各登場人物の関係を図にしてみると以下のようになります。
まず、一般的な運用会社はファンドを運用して、経費をファンドから徴収します。
この経費が運用会社の収入となり、この収入の中から株主への利益還元(配当金)を行わなければなりません。
「企業の所有者は株主」であり、「企業の目的は株主の利益を最大化する」なので当然ですよね。
ですが、ここで問題が発生します。
金融商品の運用成績を良くするためには経費を下げなければいけない(低コスト)というのは今や常識です。
しかし、経費を下げてしまったら運用会社の収入が減り、株主に対する利益還元ができなくなってしまいます。
つまり、一般的な運用会社は経費率を下げるにしても限界があるのです。
あっちを立てればこっちが立たずの状態ですな。
次に、バンガードですが、ファンドがバンガードを所有する(金融商品を買った人達が、その運用会社を所有する)という特殊な所有構造であるため、単純にファンドの利益(=金融商品を買った人達の利益)のみに集中することが可能な構造となっているのです。
「利益還元しなければならない所有者」が「金融商品の購入者」と一致するので、運用会社の目的がシンプルになるよね☆
富松がバンガードの金融商品(ETF、投資信託)を好む理由はこの所有構造の優位性といっても過言ではありません。
バンガードの運用額が大きくなればなるほど、所有する株式も増えることになり、いずれ貸株の賃料だけで経費を賄えるようになった場合、経費率ゼロというのも実現可能となるわけです。
高経費率の金融商品なんて現代ではゴミでしかないので、(誰にも買われずに)とっとと淘汰されて、優良な低コスト商品だけが投資家の選択肢として残る時代が来てほしいものです☆
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