S&P500は本当に割高なのか?
最近、投資の神様ことウォーレン・バフェットがS&P500に連動するETFをすべて売却したという話がネットニュースになっておりました。
また、様々なアナリストがS&P500は現在割高な水準であり、暴落の可能性を示唆する発言をよく目にするようになりました。
しかし、本当にS&P500は割高なのでしょうか?
まずは、直近のVOO(バンガードS&P500ETF)のチャートを見てみましょう。

確かにこれだけ見ると順調な右肩上がりで最高値を更新中なので暴落しそうなイメージをしがちなのは(気持ち的に)理解できます。
ここで心に留めて頂きたいのは、チャートの「価格」を構成しているのは「現金(ドル)」であり、「現金」はインフレによって「価値」が毀損し続けるということです。
以下のグラフは「株」、「長期債券」、「短期債券」、「金」、「現金」をそれぞれ1ドル分、200年間保有した場合の価値の推移になります。

「株」や「債券」はリターン(成長・配当・金利)を生み出すため「価値」が増えますが、現金はインフレによって価値がどんどん毀損していっています。
一方、金は「ただの物」であり、成長もしないし、配当金も生み出さないので「価値」はほぼ一定です。

金の「価格」が上がっているのは、(需給の要素も多少はありますが)金の「価値」が上がっているのではなく、現金の「価値」が下がっているから金の「価格」があがるのです。
さて、話を少し戻しましょう。
先ほど御覧いただいたVOO(バンガードS&P500ETF)のチャートは現金(ドル)を基準としたものです。
ではVOOのチャートを価値がほぼ一定の「金」で計るとどうなるでしょう。
以下のグラフはVOOの価格を金価格(1トロイオンスあたりの価格)で割ったものの推移になります。

このグラフでみると、急激な上昇もなく、かなり緩やかな上昇を描くチャートになっていますね。
つまり、現状のS&P500の「価値」は割高ではなく、むしろ妥当と捉えることができ、前掲のチャートに見られる「価格の上昇」はインフレによる現金の価値毀損が主たる要因なのではないかと考えられます。
つまり、現在巷を賑わせている暴落論に振り回される必要はないというのが富松の見解です。

本当にバブルなら「VOO / 金価格」が急激に0.25~0.3程度まで達するような波形になると思います。
世の中に「絶対」はないのですが、富松は今のところ楽観的(=暴落は無いんじゃないかな?)に見ております。
勿論、暴落を信じる人が増えれば増えるほど、実際に暴落が発生する確率は上がりますので、もし暴落が発生するのであれば、バーゲンセールを楽しもうという心構えでいます。

「順調な上昇」⇒「暴落論」は毎度のパターンなので気にする必要はないですww
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