金現物と金ETFどっちに投資すればいいの?という質問に答えてみるテスト
たまに「金現物と金ETFどっちがいいの?」という問いを投げかけられることがあり(まぁ金がアツいですからねw)、大抵の場合「ETFでいいんじゃない?保管しなくていいから楽だし、ボタン一発で少額から売買できるしね。」という安直な回答でお茶を濁すことが多い富松ですw
この手の質問をガチンコで回答しようとすると、「金保有の目的」やら、「現物とETFの本質的な違い」の話に踏み込むことにになり、(こういう話が好きな人ならともかく)下手打つと「変人を見る目」に晒される事を恐れているため浅めにサラっと流すことが多いですw
「金ETF」を勧めつつも、富松本人は「金現物(金貨)」を買っているため、この手の話題になる度に若干の心苦しさもあるという微妙な40代がここにいますw
ということで今回は「金ETF」に関して仕組みや、メリット・デメリット、なぜ富松が金現物を好むのか辺りを書いてみようと思います。
そもそも「金ETF」って何?
金ETFとは「金価格に連動するように設計された上場投資信託」です。
簡単に言うと「株式市場で売買できる「金の値段に連動する金融商品」」といったものです。
株と同じように証券口座から売買できるため、
- 金を保管する必要がない
- 流動性が非常に高いのでボタン一発で即時売り買い可能(機動性の高い取引が可能)
- 少額から購入可能
というメリットがあり、多くの投資家が金投資の手段として金ETFを利用しているのです。
続いて「金ETF」の仕組みについて紐解いてみましょう。
金ETFの仕組み
金ETFには大きく分けると、3つのプレイヤーが関わります。
- ETF運用会社
- カストディ銀行
- AP(指定参加者)
「ETF運用会社」はその名の通り、ETFの設計を行い、運用・資産管理の実施と引き換えに信託報酬を徴収する会社です。
「カストディ銀行」とはETFが保有する金を実際に保管している銀行でJPモルガンやHSBCといった大手銀行が担当することが多いです。
つまり、ETFの裏側には実際に金が存在します。
「AP(指定参加者)」はETFの「Creation(発行)」と「Redemption(償還)」を行う機関で、一般的には大手証券会社や投資銀行が担当します。
この「Creation(発行)」と「Redemption(償還)」によって実際の金価格と金ETFの価格が乖離しないように調整されるのです。
【Creation(発行)】
~金ETFが、実際の金価格に対して割高になった場合~
- APは「金ETF」を空売りする
- APはETFより割安な「金現物」を買う
- APはETF運用会社の指定するカストディ銀行に「金現物」を移管する
- ETF運用会社は移管された「金現物」に相当する「金ETF」をCreation(発行)してAPに渡す
- APは1.で空売りした分のポジションを4.で手に入れたETFで返済する
そうすることで「金ETF」と「金現物」の価格差が解消され、APは利益を得ることになります。
【Redemption(償還)】
~逆に、金ETFが実際の金価格に対して割安になった場合~
- APは「金現物」より割安な「金ETF」を買う
- APは「金ETF」をETF運用会社へ持っていき「Redemption(償還)」の申請をする
- ETF運用会社は「Redemption(償還)」された分の「金現物」をカストディ銀行より引き出し、APに渡す(償還された「金ETF」はこの時点で消滅する)
- APは「金ETF」と引き換えにカストディ銀行から「金現物」を受け取る
- APは「金現物」を市場で売却する
この取引でまた「金ETF」と「金現物」の価格差が解消され、APは利益を得ることになります。
AP側は「価格差」を調整しようと動いているわけでは無く、「価格差」を利用して利益を上げる行為の副産物として「価格差」が無くなるという感じです。
ちなみに「Creation(発行)」と「Redemption(償還)」はAPにしかできませんので、個人が「金ETF」を持っていても「金現物」を請求することはできません。
金ETFの性質から考える弱点とは
前述の仕組みを理解すると、勘のいい方なら「金ETF」の弱点に気付き始めたかもしれませんね。
「金ETF」も「金現物」もどちらも金価格に連動した値動きをするので、同等に考えている人も多いかもしれませんが、全く別物の資産であり、リスクの種類も異なります。
「金ETF」は非常に多くのメリットを持つのと同時に以外な脆さも持っています。
その脆さとはズバリ!「金融システムに大きく依存している」ということです。
どういうことかというと「金ETF」が成立するためには以下のように非常に多くの要素が必須です。
- 証券会社(ETF売買の窓口)
- ETF運用会社(ETFの組成や解約を実施)
- カストディ銀行(金現物の保管庫)
- AP
- 市場流動性(買い手、売り手の存在)
- 決済システム
(「平時」には特に問題ありませんが)仮に上記の要素どれかに異常事態が発生してしまうと、金ETFの売買や価格の整合性を維持できなくなります。(しかも異常事態の際に、一般投資家では「金ETF」を「金現物」に交換することはできません。)
「金現物」の場合、「所有者」と「金現物」という2つの要素しか登場しないのに対し、「金ETF」になったとたんに間に関わる必須の存在がやたら増えてしまっていることが最大の弱点ということになります。
「金ETF」の正体は「金そのもの」ではなく「金融システム」上での「金への請求権」に対して「値段を付けて売買しているもの」ということになるのです。(何度も言いますが、この「請求権」は一般投資家では行使できません。)
一方で「金現物」はETFに比べて流動性が低く、保管コストや盗難リスクがあるものの「金融システム」に依存していませんので、「金融システム」に有事があっても機能しますし、そもそも「価値の裏付け」に通貨を必要としない(金現物そのものに価値があると世界中で認識されている)のです。
いうなれば「金現物」の購入とは「通貨の世界の外に資産を逃がす行為」に相当します。
資産が増えてくると恐れるものが変わってくる
「投資を始めたばかりの投資家」は大抵自分が保有しているポジションの値下がりを怖がるものです。
富松もそんな感じでしたw
投資歴が長くなり、ポジションが大きく成長し始めると、値下がりよりも「金融システムそのものの崩壊」を怖がるようになります。
これは正に富松が実感しているところです。
例えば株価が下がっても「金融システム」が無事であれば「生活防衛資金」があるので実生活には影響ないですし、「暴落時買付準備金」があれば、買い増し出動もできますので大した問題ではないと思っています。
一方で「金融システム」が崩壊し、株式・債券・通貨(ドル・円)の信用が著しく毀損する場合、価値を持つのは現物(金とか不動産とか)になります。
そういったちょっと大きめのスコープでリスクを考えるようになるので「金融システムに依存しない資産」を保有したがるのだと自己分析していますし、その行為は一定の合理性があると考えています。
ちなみに各国の中央銀行は「金ETF」を買いません。
必ず「金現物」を買います。
それは国家が「金」を欲しがる理由が「最終決裁手段」として必要だからです。
(=「金融システム」が機能しない状況下でも扱えないと困るからです。)
特に最近色んなところでドンパチしているので余計に意識しちゃいますねw
まとめ
結論として「金」の「価格上昇」を取りに行きたいのであれば「金ETF」一択だと思います。
逆に有事の際の「保険」として「金」を捉えるのであれば「金現物」を保有したほうがいいと思います。
例えば、日本列島が海の底に沈み始めた時に「日本円」はゴミになります(国が無くなるので価値の担保ができなくなる)が、「金現物」があれば海を渡って生活基盤を再建する道も作れる(=リスク管理できる)んじゃね?的な発想です。




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