止まってしまった時よ!今こそ甦れ!!(前編)

2023年2月28日

遡ること23年前。

富松がまだ中年ではなく、20歳の青年だった頃。

富松はロレックスのエクスプローラー1という腕時計に憧れを持っていました。

デザインに無駄がなく「質実剛健」の美しさ・・・

しかし、憧れの対象は「天下のロレックス」。

20歳そこそこの若造がおいそれと手を出せる金額ではありません。

当時でも定価で45万円くらいだった記憶です。(今では100万円以上しますからねw)

富松
富松

そんな富松青年が、本屋で時計雑誌を立ち読みしていると、以下の記事が目に入りました。

エクスプローラー1とほぼ同じデザインじゃん!!

富松
富松

それが48,000円?!

バイト代で買える!!

富松
富松

富松青年は光の速さでその雑誌を購入し、帰宅後も穴が開くほど記事を熟読しました。

その腕時計は銀座にある「ケントレーディング」という時計屋が製造販売を行っているもので、中のムーブメント(時計の心臓部分)はETA(エタ)というスイスのムーブメントメーカーの最大手の製品が採用されており、カルティエやオメガ、チューダーといったブランドの時計にも使われる信頼性の高いものでした。

しかも、機械式(自動巻き)なので電池不要で腕に付けておけば動き続けるという点も自動巻き時計を持ったことのない当時の富松青年には深く刺さり、「そんな素敵な腕時計が48,000円で手に入るだとぉぉぉぉ!!」といった感じで興奮気味でしたww

翌日、銀座の「ケントレーディング」に向かったのは言うまでもありませんw

甦る記憶は少し優しい

来店前はオリジナルの製品しか販売していないとショップだと勘違いしていましたが、店内はロレックスや他のブランド時計の買取や中古販売もしているみたいで、ショーケースに様々な(ロレックスが多めだった記憶)商品が並んでいました。

「銀座」という立地のせいなのか、シックな店内のせいなのか、はたまた並ぶブランド時計のせいなのか、機械式腕時計を持ったこともなかった富松青年にとって、お店の敷居を果てしなく高く感じたことは今でも鮮明に覚えています。

そんな富松青年に対して店主の方は親切に色々説明してくれたような記憶があり、初の「機械式腕時計購入イベント」は富松青年にとっては良い思い出となったのでした。

それから4~5年ほど、メンテナンスもせずに毎日のように使い続けた結果、ある日時計はその鼓動を止めたのでした。

まだ若造だった富松は機械式腕時計の重さとステンレスベルトの堅さに多少飽きが来ていた時期で、鼓動を止めた腕時計は「机の引き出し」という棺の奥深くに眠ることになったのです。

パチもの?!オマージュ?!

割と最近知った話なのですが、富松がこの腕時計を購入してから5~6年後(?)くらいに、ケントレーディングは本家ロレックスやカルティエ等の企業に訴訟(商品似せすぎ)を起こされ、しっかりと敗訴となりました。

あくまで「オマージュ」と言い張ったらしいですが、商品の製造中止はもちろんの事、賠償金もしっかりと請求され廃業となったようです。

【オマージュ】

尊敬するアーティストの作品に影響を受けて、それに似たような作品を作ること。 

オマージュは、作者自身が当該作品から影響を受け、敬意を払い、意図的にオマージュ的表現を行っていることが前提となっている。偶然の一致や類似、および、敬意を伴わない模倣(パクリ)などは、オマージュには該当しない。

しかし、ケントレーディングというショップは「オマージュ」製品を中々のクオリティで制作していたことにより、廃業後も密かに(特に海外で)人気があり、もはや製造されない品ということで結構プレミア価格で取引されていたようです。

5万円以下の製品が中古なのに倍以上の値段で取引されていることに驚きました

富松
富松

数年で幕を下ろした無名ブランドではあるものの

  • 日本製のパチ・・・いや、オマージュ製品であること
  • ムーブメントの質は悪くないため、ちゃんとメンテナンスすれば永く使い続けられる
  • 耐磁性に関しては本家より高いのでパソコン仕事を生業としている富松に丁度いい
  • 5万円以下で入手したものなのでちょっとくらい傷が付いても気にせずガシガシ使える(=貧乏性)

といった感じで富松にとっては丁度いい相棒なのかもしれないと今更ながらに思ったのでした。

眠っている相棒の状態を確認すると・・・

20年近く眠りについていた相棒は、そのままでは到底使えない状態となっていました。

長い間存在を忘れていてすまねぇ・・・

現在は再び相棒を動かすために、時計修理屋に修理(オーバーホール、風防(ガラス)交換、ベルト交換)を依頼している状況です。

時計修理屋からは「内部の錆が結構酷いので、もしかしたら直らないかもしれません」と脅かされましたが、今はただひたすら元気になって戻ってきてくれることを願うのみです。

腕時計のメンテナンスといえば・・・

そういえば最近、「メンテナンスに出した腕時計が勝手に質屋に売られていた」というニュースを目にしました。

時計修理店「東京美宝」(東京都台東区)というお店でそういった業務上横領が行われていたらしく、被害総額は5,000万円にのぼるとか。

ん?「東京美宝」?

なんか聞いたことあるな・・・

富松、その店で腕時計買ったことあるわww

10年以上前にその店でハミルトンのパイピングロック(手巻き)を買ってましたww

薄型且つ、デザインも上品な感じなのでお気に入りの一品です。

TVドラマ「ロングバケーション」でキムタク演じる「瀬名 秀俊」が装着していたことで一気に有名になった腕時計ですね☆

富松
富松

当時はまっとうに商売していたんでしょうけどね・・・。

メンテナンスの依頼によって持ち込まれたということは、少なくとも持ち主には相応の思い入れのある品であるため、単純にお金で弁償すれば済む話ではないですよね。(その品そのものが戻ってこないと被害者の方々は気が済まないと思います。)

なんか色々思い返してみると富松の買った時計は「いわくつき」になる傾向があるようですねww

米国株投資を始めてから新しく腕時計を買う気には全くならないのですが(スマホがあるので)、昔買った腕時計達くらいは大切に使い続けてもいいかなと思う今日この頃なのでした☆

富松
富松

雑記

Posted by tomimatsu